• HOME
  • LIFESTYLE
  • 【専門家に聞く!】糖鎖(とうさ)とは? 減少する原因から増やす方法までご紹介!

【専門家に聞く!】糖鎖(とうさ)とは? 減少する原因から増やす方法までご紹介!

近年、人の身体に備わる「糖鎖(とうさ)」という物質に注目が集まっています。
その理由は、あらゆる疾患予防につながること、さらに総合的な健康効果が期待できるといわれているためです。さらには肌のシミ・シワなどの肌老化予防も期待できるそうです。

今回は、糖鎖の概要から不足する原因、日常的に補う方法について、糖鎖に詳しい国立大学教授 宇都義浩先生にお話しを伺いました。

糖鎖(とうさ)とは?

糖鎖イメージ

糖鎖(とうさ)とは、私たちの身体を構成する60兆個の細胞膜組織の表面に、産毛のように存在している物質です。
「単糖類」が鎖状に連なっていることから、「糖鎖」と呼ばれています。

その連なる単糖類は、全部で8種類。
1.グルコース
2.ガラクトース
3.マンノース
4.フコース
5.キシロース
6.N-アセチルグルコサミン
7.N-アセチルガラクトサミン
8.N-アセチルノイラミン酸

なんとなく聞いたことがあるものもあれば、聞いたこともないものもあるのではないでしょうか。

これらが連なった糖鎖は、細胞同士の「アンテナ」の役割を果たしています。
身体の中のさまざまな情報をキャッチして、「これは異物!」「これはウイルス!」などと重要なものを識別したり、細胞間の情報伝達やホルモン作用、免疫反応などの生命活動のカギとも呼ぶべき重要な働きを担っているのだそう。

近年、日本でも大学や研究機関でそのメカニズムと有用性についての研究が進んでいます。特に多くの芸能人の方々もかかっていることから知名度が上がり、近年日本でも罹患する人が増えている「間質性肺炎」の治療に役立つ可能性があることから、注目を集めています。

糖鎖のアンチエイジング効果

糖鎖は、疾患を予防するために重要な働きを担っていますが、老化防止、つまりアンチエイジングの意味合いとしても重要だといわれています。
今回、糖鎖研究をされている国立大学教授の宇都先生にアンチエイジング効果について伺いました。

Q.糖鎖は、美容の観点からアンチエイジング効果が期待できますか?

「現時点では、糖鎖が何か特定した老化現象に対する作用があるということではなく、老化に対する遅延や改善が期待できるのではと推察しています。
特定の老化現象に対する作用の確認は、総合的に、まだまだこれからの課題と考えています。
美容という観点から考えると、皮膚の保湿性・弾力性・ハリの向上とターンオーバーの促進・正常化などが推測されます」

糖鎖が減少するとどうなる? 不足しやすい理由も解説!

糖鎖は加齢と共に減少していってしまうと考えられるのだそうです。さらに、資料によると、私たちが生活する環境は、糖鎖が不足しやすいといわれています。

現代社会では、化学薬品や大気汚染、放射線、水道水中の塩素などさまざまな活性酸素に触れるリスクがあります。これらに対して、私たちの身体の糖鎖は活性酸素を抑制するために抗酸化物質として働いて戦ってくれていますが、それによって糖鎖の減少や劣化が起きてしまい、糖鎖不足が生じるのだそうです。

Q.糖鎖が不足するとどのようなことが起きるのでしょうか?

「糖鎖が不足すると、免疫系や神経系、ホルモンなどに異常が発生して、結果として様々な疾患を引き起こすことになります」

●糖鎖不足によって影響があると考えられるもの
・認知症、学力低下、運動低下
・自己免疫疾患、脳疾患
・健康寿命に低下
・ホルモンの乱れ、不妊など ・シミやくすみなどの肌トラブル

糖鎖不足を防ぐには?

Q.糖鎖を不足させることにつながる活性酸素に対する対策として、どのようなことを行えばいいでしょうか。

「活性酸素の発生については、種々原因はありますが、生活の中で注意すべきは①快適な睡眠、②適度な運動、③バランスのとれた食事、④ストレスをためない、という4点に絞られると私は考えます」

糖鎖を増やすにはサプリメントがおすすめ

とはいっても現在の社会においては、この4つを行うのはなかなか困難な部分もあると、宇都先生は話します。
そこで、手軽で効率の良い方法として、サプリメントの利用が最適だといいます。

Q.食事から糖鎖を増やすことはできないのでしょうか?

「糖鎖を構成する8種の糖の中には、一般的な食事で摂取することが困難な糖があります。例えばN-アセチルノイラミン酸という糖は、ツバメの巣に豊富に含まれます。
もちろん、その他の食材にも含まれていますが、比較的にわずかしか含まれていません」

「そこで役立つのが糖鎖サプリメントです。糖鎖サプリメントを上手に利用することによって、摂取に困難な糖も容易に摂取できます。当然ですが、食の基本はバランスが重要ですので、通常の食事に加えて、糖鎖サプリメントをうまく利用するなど工夫することによって、効率よく得ることができると考えています」

今回、糖鎖という言葉を初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。
これから健康寿命を延ばしていきたい人生100年時代においては、ぜひ押さえておくべきキーワードといえます。
それと同時に、自分自身の糖鎖が不足するリスクも考えながら、サプリメントなどに興味を持ってみるのもいいかもしれません。

【取材協力】

宇都 義浩(うと よしひろ)先生
国立大学教授。専門は発育鶏卵を用いた制癌剤の創薬研究と機能性食品/化粧品の研究開発など。
近年では糖鎖の抗老化作用や、近年著名人の死因にもなっている「間質性肺炎」への有用性について研究。

関連記事一覧