
大阪・関西万博に来たら「明治の饗宴」はいかが?6月末まで楽しめるレトロ建築「旧桜宮公会堂」の特別コース
「蒸鮭凍凝物」「牛酪焼牛肉」……。何のこと?と思いますが、これは明治時代に実際に提供されていたとされる、フランス料理のメニュー。
そんなタイムトラベルのようなコース料理体験が、大阪の重要文化財「旧桜宮公会堂」で6月30日まで楽しめます。

「旧桜宮公会堂」は1935年(昭和10年)に明治天皇記念館として建設。
重厚感のあるファサードは、1870年(明治3年)に建てられた向かいの造幣局正面玄関を移築したものです。戦後は公会堂や図書館として使われ、2007年から閉鎖されていましたが、2013年に結婚式場・レストランとして蘇りました。

普段からフレンチのコースをいただけるレストランとして愛されていますが、現在、特別に「明治の饗宴」と銘打ったイベントを開催しています。明治天皇も味わった(と想像される)料理を、歴史的文献を紐解いて再現し、コースで供するというものです。

メインダイニングは豪奢なシャンデリアが照らすゴージャスな空間。
隣接する重要文化財「泉布観」の内部や歴史をCG映像で鑑賞しながら料理を味わえます。
贅を尽くしたフルコースの全容をリポート!
ハーフコース(5品)4800円、フルコース(7品)6300円。
なんと、当時の価値で15万円ほどというプレミアムなコースです。フルコースの全容とは…⁉

1品目は「蜿豆ポタージュ」。
当時はエンドウ豆を使いましたが今は「うすい豆」で作るとのこと、青々しい後味の爽やかな冷製スープです。



「蒸鮭凍凝物」はサーモンのショーフロア。
と言っても分からない人も多いと思いますが、魚や肉を一度加熱してから冷やし固めたものです。
今回はサーモンマリネを寄せて固め、ディルなどの香草を利かせています。コンソメのジュレが涼やかな喉越しです。

続いて、「白葡萄酒蒸鴨シャンピニオン添え」。
名前も中華料理のようですが、鴨ロースをワイン蒸ししてシャンピニオンソースを合わせたフレンチの伝統的な一品。キノコの香りが濃厚で、鴨肉を引き立てます!

「鯛詰赤茄子」に驚きました。トマト丸ごと……?と思いながらナイフを入れると、ほわっと鯛の香ばしい匂いが!こちらは中に真鯛のラグーとジャガイモを詰めたファルシで、トマトを切り崩しながら食べると酸味と旨みがほどよく調和。赤茄子=トマトなんですね。


メインとなるのが「牛酪焼牛肉」。
いわゆる牛肉のコートレット(カツレツ)で、ソースは牛肉と牛骨などをコトコト煮込んだ「ジュドビアンドソース」です。お肉はヒレで柔らかく、赤ワインのコクが感じられるソースはお皿に残すのがもったいないくらい。

というわけでパンもパクパクと進みます。自家工房で焼き上げており、バターたっぷりでリッチな風味。

最後にアスパラガスのグリル「西洋独活マイナイスソース」が登場するのは驚きますが、「明治時代はずっと肉料理が続き、最後にお野菜を味わうスタイルだったそうです」とのこと。明治時代の人々はタフな胃だったのですね!

最後の「プディング」はカタカナ表記(笑)。「卵蒸菓」など漢字ではないんですね。
しかしめちゃくちゃ美味しい!!下のスポンジにほろ苦いカラメルがしみしみで、サヴァランのような味わい。コースの満足度をさらに高める〆の一品でした。

この「明治の饗宴」、実は昨年も開催したのですが、「好評だったため今年2回目を実施しました」とのこと。
4月のスタート時から連日満席ですが、6月はまだ空いている日程がわずかにあるそう。


とあれば、急いで予約を!大阪・関西万博のついでに寄れると良いですね♪
旧桜宮公会堂
■場所:大阪府大阪市北区天満橋1-1-1
■電話:050-5306-8500
■期間:2025年6月30日(月)まで。
■予約URL:https://www.tablecheck.com/ja/shops/sakuranomiyakoukaidou/reserve