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やきものもアートも、歴史も食も!東美濃が今、じわじわ人気急上昇中

「東美濃」と聞いてすぐにどこかと答えられる人は、相当な旅のプロかもしれません。

東美濃とは、岐阜県の東部、多治見市・中津川市・ 瑞浪市・恵那市・土岐市・可児市・御嵩町の 6 市 1 町にまたがるエリア。
岐阜県には行ったことがある私も「何があるの?どんな場所なの?」と未踏の地でしたが、訪れてみてポテンシャルの高さに驚きました。
今回はそんな東美濃トリップをレポートします。

江戸の面影残る馬籠宿をぶらり散歩

あちこちに水車が。昔は電力を起こすために使われていたそうです。

山深い地形である東美濃は中山道が横断し、馬籠宿や中津川宿などといった江戸時代の歴史が香る観光名所が点在しています。
まずは、69ある宿場町の中の、江戸から43番目の宿場として栄えた馬籠宿を訪れました。

ゆるやかな坂になった石畳の道に並ぶ日本家屋の多くは土産店や飲食店として利用されていますが、一般住居も残り、今なお地元の人の暮らしが息づいています。

馬籠ふるさと広場から晩秋の野山を一望

約600mに70店ほどが軒を連ねる宿場町を抜けた先には、馬籠ふるさと広場という絶景スポットがあります。ここから恵那山をはじめとする大自然を見渡すことができ、大きく深呼吸したくなる場所です。

正直、人生で一番美味しかった『かなめや』の五平餅!

もちろん「食」のお楽しみもあり。蕎麦が有名なエリアなので手打ち蕎麦もおすすめですが、せっかくなので東美濃の郷土食である五平餅を味わってみては。

『かなめや』は観光客にも地元客にも人気の五平餅専門店で、注文が入ってから店内の奥で焼き上げる五平餅(1本250円)が絶品。醤油をベースにクルミや落花生などを配合した独自の甘じょっぱい タレが香ばしく、食べ歩くのにちょうど良いおやつです。

人間国宝の茶碗でお茶を点てられる「美濃焼ミュージアム」

今回の旅の目玉は、「美濃焼」をめぐる体験。
日本を代表するやきものの一つですが、実際どういう伝統や歴史を持つ工芸品なのかご存じでしょうか。

多治見市にある『多治見市美濃焼ミュージアム』はその成り立ちや地場産業としての歩みを学び、古代から現代までの貴重な美濃焼を実際に見ることができる施設です。
人間国宝の抹茶腕を使ってお茶を点てる体験も楽しめます。

予約により、瀬戸黒、黄瀬戸、志野、織部といった桃山時代の陶片等を実際に触る体験も

展示室を学芸員さんが案内して下さいました。
美濃焼は7世紀頃に朝鮮半島から伝わり、安土桃山時代に茶の湯と連動して茶人の間で世に広まりました。「瀬戸」「織部」「志野」など釉薬を厚めにかけた艶やかな作風を思い浮かべる方も多いでしょう。

人間国宝・加藤孝造さんの志野茶碗

江戸時代には大量生産が始まり、明治以降に機械化の発達で美濃は日本の食器の名産地となります。
今でも作家による作品から、ファインセラミック、タイルまで作られており、日本一の陶器のシェア率を誇っています。

抹茶体験は、地元銘菓「うながっぱ美濃初衣」付きで一服800円

抹茶体験は外国の方にも大変人気だそうです。
茶碗は、人間国宝の加藤孝造さん、市重要無形文化財の安藤工さんなど、月替わりの作家の作品から選べます。

せっかくなので人生でなかなか触ることのない人間国宝の加藤さんのお碗にしました。
抹茶とお湯を入れて茶筅でシャカシャカと泡立てます。抹茶碗は、絵柄だけでなく形も「正面」を意識して作られているなど、器にまつわる豆知識も教わり「へえ〜」と声が出ます。

自分で絵付けして“マイ美濃焼”作りに挑戦

手頃価格で器を販売。ついつい買い込んでしまいます。

旅のハイライトと言えるのが、自分で好きな絵柄を描いて「マイ美濃焼」を作る体験です。
会場となるのは、60年の歴史をもつ『光洋陶器』が2023年1月にオープンした『KOYO BASE』。
本社、工場、カフェ、体験施設などを備えた複合施設で、食べる・見る・作るといったアプローチから器の魅力に触れることができます。

工場ツアーも受け入れており、土づくりから成形、絵付け、本焼きまで陶磁器の製造工程をガイドの解説付きで見学できます。

美濃焼の絵付に挑戦。まずは自分の好きな素地の器を選ぶのですが、ここのステップだけでもかなりの時間をかけてしまいました。マグカップや茶碗、オーバル皿、丼など、形も大きさもさまざま。

絵付は転写シートを使っても、自由に描いてもOKです。各自の机に顔料やパレット、筆などが用意されているので、あとは描くだけ……とはいえ、ノープランだと本当に難しいです。
必要なら鉛筆で下描きをして着色するのですが、発想力や手先の器用さが表れます。他のメンバーの作品を見てみると、昨日食べた五平餅をお皿に描いていたり、上手な龍を描いていたり、それぞれのセンスと個性が出ていました。

私は「台湾に行きたい」という気持ちを込めて台湾夜市の様子や食べ物を描いて完成させました。
これほど集中したのは久しぶりでした!

濃厚焦がしチーズケーキ650円などスイーツも充実

フロアはカフェになっているので、おいしいケーキとコーヒーでゆっくりできます。

絵付けした器は、焼き上がり後に郵送してもらえるので伝票に住所を書くだけ。
絵の具を使ってオリジナル食器を作る絵付体験は、焼成後に送付までしてくれて1500円です。

アート好きにはたまらない、モザイクタイルミュージアム

『モザイクタイルミュージアム』に展示されたレトロな柄のタイル

美濃焼の技術で作られているものは食器だけではありません。
お風呂から家の建材、飾りなどあらゆる場所に使われている「タイル」もその一つ。 その生産量日本一を誇る多治見市笠原町にある『モザイクタイルミュージアム』も、ぜひ立ち寄っておくべきスポットです。
ちなみに「モザイクタイル」とは1枚50平方cm以下の小さなタイルのことを指します。

壁には陶器のかけらが埋め込まれ、輪郭には木が植えられています。

ミュージアムはなんと建築家の藤森照信さんが建物を設計し、名誉館長も務めています。

(左)階段の壁、床、天井、ほとんどが左官仕上げ
(右)土岐市の陶芸家、伊藤慶二さんが足をイメージして作ったモニュメント

モザイクタイルの歴史展示だけでなく、全国各地の銭湯から集めたモザイクタイル画の洗面台や浴槽が美術作品のようにディスプレイされ、屋上から外とつながった空間にオブジェが飾られるなど、館内はまるごとアート空間。

4階から吹き抜けに設置されたモザイクタイルのオブジェが素敵です

タイルを自由に貼って小物を作る体験は500円 ※2026年4月1日からは800円

1階の体験工房では好きなタイルを貼ってフォトフレームなどを作るワークショップにも参加できます。
予約不要で、その場で作品を持って帰ることができるので旅の思い出作りに最高ですね!
ワークショップには2~4人の女性同士や、親子が仲良く楽しく作っていました。

下の部分にタイルを水平に貼らないと斜めになってしまいます。

ちょっと意外な色になってしまいましたが、実際に焼成されると濃くなるので難しい!

『KOYO BASE』で作ったマイ美濃焼は、1ヶ月ほど後に自宅に届きました。
実際に見ると絵付をした時の色と、実際の焼き上がりの色に違いが出ることを初めて知りました(笑)
連綿と続いてきたものづくりが、いかに職人技と経験値によって支えられているかをあらためて実感しました。

今回、初めて「東美濃」に訪れましたが、歴史、文化、食の魅力がたくさん詰まった地域でした。
知っているようで知らない美濃焼や、タイルの歴史と伝統にも触れ、改めてものづくりの底力を感じることができました。
他にも中山道の石畳やインバウンド旅行者に人気の山城、お酒なども楽しめるので、ご友人や大切な方と一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。

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